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冨岡義勇「俺は嫌われてない」|名言が生まれた背景とは?【名言解説】

「鬼滅の刃」にはさまざまな名言が登場します。

今回は、第6巻「鬼殺隊柱合裁判」から禰豆子を守ろうとする冨岡義勇の名言「俺は嫌われてない」について解説していきます。

「俺は嫌われてない」のシーン解説

禰豆子を守る義勇

那田蜘蛛山で鬼殺隊の炭治郎や冨岡義勇たちが蜘蛛鬼・累とその家族を討伐した後、以前鬼に襲われて鬼となった炭治郎の妹禰豆子(ねずこ)のことを、鬼殺隊の柱の一人胡蝶しのぶが退治しようと襲いかかります。

炭治郎と義勇は禰豆子のことを庇い、義勇がしのぶを制しました。

それに対し、しのぶがいら立ち、次のように言います。

「あら、どうしてじゃまをするんです、冨岡さん」

「鬼とは仲良くできないって言ってたくせに何なんでしょうか。そんなだからみんなに嫌われるんですよ」

「さあ、冨岡さん、どいてくださいね」

それに対し、義勇が発した言葉は

「俺は嫌われてない」

しのぶは、「あぁそれ…すみません、嫌われている自覚が無かったんですね。余計なことを言ってしまって申し訳ないです。」と追い打ちをかけ、義勇は少しショックを受けたようでした。

鬼殺隊柱合裁判

危うく禰豆子が鬼殺隊のカナヲに殺されそうになった時に、鬼殺隊の伝言役である鎹鴉(かすがいがらす)が炭治郎と禰豆子を鬼殺隊の本部に連れてくるように伝え、しのぶたちは、炭治郎と禰豆子を本部に運び柱合裁判にかけました。

鬼殺隊の最高の剣士である柱たちは、庇う炭治郎ごと鬼の禰豆子を殺し、義勇を処罰すると言います。

しかし鬼殺隊の当主であるお館様は、炭治郎が禰豆子を連れているのを容認していると言うのです。

炭治郎の育手で元柱の鱗滝左近次(うろこだきさこんじ)の手紙を側女に読ませます。

鱗滝の手紙には禰豆子は鬼になってから人を食ったことがない、もしも禰豆子が人に襲い掛かった場合竈門炭治郎および鱗滝左近次、冨岡義勇は腹を切ってお詫びしますと書かれていました。

そして人の血を見せても禰豆子が人を襲わないことがわかったため、禰豆子は柱たちの容認となりました。

「俺は嫌われてない」が生まれた背景

冨岡義勇は嫌われているか

胡蝶しのぶに嫌われていると言われた義勇は、本当に嫌われているのでしょうか。

無口で言葉足らずの義勇はコミュニケーション障害の気があり、いつも孤独で、柱合裁判の時に「俺はお前たちとは違う」と言い放ったことがあります。

それは自分は柱にふさわしくない自分は柱の器ではないという意味合いで言ったつもりが、言葉足らずのせいで周りには伝わらず「お前らごときと同じにするな」というニュアンスで伝わり、誤解されてしまいました。

少なくとも、作中では風柱の不死川実弥と蛇柱の伊黒小巴内には嫌われているとされています。不死川が関係改善のために食事に誘った時に、義勇は(もう食べたばかりだから)「いらない」と即答してしまい、余計に関係が悪化してしまいました。

生き残った罪悪感

義勇の仲間と一線を引くような態度は、過去のトラウマが原因となっています。

姉や親友は自分を守って死んでいったのに、自分は生き残っているという罪悪感が義勇のコンプレックスとなっていました。

鬼殺隊の最終選別で親友の錆兎(さびと)がたくさんの鬼を倒し、負傷した義勇を助けた後に最後に鬼に殺されたのに対し、一体も鬼を倒せなかった自分が生き残り鬼殺隊に選ばれたことを義勇は後ろめたく思っていたのです。

そのような義勇も、炭治郎の言葉に救われます。炭治郎の「義勇さんは(親友の)錆兎から託されたものを繋いでいかないんですか?」の一言で、コンプレックスは消滅しました。

鬼殺隊として人食い鬼を討伐するという強い意志を継いでいこうと思ったことでしょう。

炭治郎に救われた義勇は自身のこれまでの態度を改めて、特に仲の悪かった不死川などとの人間関係を改善する事を誓い、懐におはぎをしのばせて不死川にあげようとします。

義勇は仏頂面で誤解されやすいのですが、芯は強く、正義感が強いのです。炭治郎の嘆願で鬼の禰豆子を救い、左近次とともに命をかけて禰豆子が安全であることを保証しました。

「俺は嫌われてない」という義勇の言葉は人間関係に疎く自分が嫌われていることを知らなかったこともありますが、本当は自分は正しく、悪気がないと思っていることから来たとも言えます。

『鬼滅の刃』について

『鬼滅の刃』は、集英社『週刊少年ジャンプ(集英社)にて2016年11号から2020年24号まで連載されました。

2021年2月時点でコミックスのシリーズ累計発行部数は電子版を含めて1億5000万部を突破しています。

作者は吾峠呼世晴さん。

1話から人気が高く、7話で急遽センターカラーになりました。初代担当者の片山達彦が予想していなかった入社10年以来見たことがない社会現象となる人気を博します。

連載終了後の『週刊少年ジャンプ』2020年44号には煉獄杏寿郎の初任務を描いた特別読切が掲載されました。

「俺は嫌われてない」は第6巻に掲載されています。

まとめ

不愛想で言葉足らずの冨岡義勇は、自己評価は低いのに逆にプライドが高いと仲間から誤解されていました。

 しかしクールな性格ですが正義感が強く情熱的で思いやりのある行動を取ることから、自分では悪くないと思っていて、そのことから「俺は嫌われてない」という言葉が発せられたようです。

ちなみに読者からは人気が高く、ジャンプで行われた人気投票では第一回は4位、第二回では2位という結果を残しています。

冨岡義勇は、少なくとも読者からは嫌われていないキャラクターなのです。

 

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